◎水だけでは
熱中症や脱水症を予防するためには水分補給がとても大事です
だからといって、ただ水をがぶ飲みすればいいという訳ではないようです
その理由とメカニズムを掘り下げてみましょう
◎脱水が引き起こす熱中症
毎年、気温上昇とともに熱中症で倒れる人が増えています
熱中症は高温の環境に長時間いたことによって、体の中で生産された熱がうまく放散できずに起こる体調不良です
その原因となるのが大量の汗をかくことなどによって体内の体液が減ってしまう「脱水症」です
◎脱水症の主な症状
脱水症に弱い臓器は脳、消化器、筋肉です
【脳】
めまい、立ち眩み、集中力・記憶力の低下、頭痛、意識消失、痙攣など
【消化器】
食欲低下、悪心、嘔吐、便秘など
【筋肉】
筋肉痛、しびれ、麻痺、こむら返りなど
◎水中毒
人間の体液は水と塩分(ナトリウムイオンなどの電解質)でできています
大量の汗をかいたときには水分とともに塩分も失われています
ですから、水だけ飲んでも塩分がなければ浸透圧の関係で細胞の中まで入っていけないため、体内に水分をためておくことが出来ません
さらには、体液が薄まってナトリウム不足を起こしてしまう危険があります
これを「水中毒」とも呼ばれます
水中毒になると、こむら返り、頭痛、吐き気、意識障害、痙攣などを起こしたりします
重症の場合は死亡することもあります
◎脱水症は経口補水液で劇的に回復
経口補水には体液に近いバランスで水分と塩分(ナトリウムイオン)が含まれています
そのため両方を一度に補うことができます
水分が小腸で吸収される際の吸収速度を高めるために一定の割合でブドウ糖が含まれています
脱水症のときにナトリウム以外にも失われるカリウムイオンやマグネシウムイオンも含まれており、これらが不足して起こるこむら返り、筋肉の低下、しびれ、不整脈などの予防・改善にも役立ちます
経口補水液は飲む点滴と呼ばれるほど脱水症への効果が高く、脱水症のときに500~1000ml飲むとだいたい30分くらいで劇的に回復します
市販の経口補水液はアクエリアス経口補水液やOS-1などがあります