✫身を慎む期間
冠婚葬祭ラッシュで破産寸前のタコシです
日本では、肉親や親戚がなくなると
「喪に服す」または「忌に服す」という習慣があります
年賀状を書き始めるくらいの時期に
「喪中見舞い」として
新年のお祝いをご遠慮します」
といった内容のハガキを受け取った方も多いでしょう
似たようなシチュエーションでつかわれることの多い
「喪中」と「忌中」ですが、それぞれどのような違いがあるかご存知でしょうか
✫喪中とは
「喪中」は、喪に服するという意味です
これは親族などが亡くなった場合に、その死を悼んで哀悼の意を表すために、社交的な行動や華やかな場への出席などを避け、身を慎まなければならないということです
これは元々は神道で「死=穢れ(気枯れ)」
と考えられていたことに基づく、日本特有の風習でした
神道では「人が亡くなるのは穢れたものに憑りつかれたから」
と考えられ、死者を出したその家に人間も同じように死の穢れに全身包まれている、とされていたのです
なので「死=穢れ」と考えないキリスト教や仏教では、本来はここまで厳しい喪中の規定はありませんでしたが、日本では1947(昭和22)年まで「服忌令(ぶっきりょう)」という法令により服喪期間が厳密に定められていたこともあり、いつしか宗教に関係なく「それが常識」とされ、日本の文化・風習になったようです
現在ではそういった法令がなくなったため、喪中の期間はその頃からの習わしに基づき、一般的に
・配偶者、父母が12~13か月
・故人の子どもが3~12か月
・兄弟姉妹が3~6か月
・祖父母が3か月
とされています
✫忌中とは
「忌中」も喪中と考え方は同じです
一般的には、身内が亡くなった時から始め、仏教式では四十九日の法要まで、神道式では五十日祭、キリスト教式であれば1ヵ月後の召天記念日または五十日祭までとなっています
「喪中」との違いは、喪中が死者に対する哀悼の意を表すために身を慎む期間であることに対し、「忌中」は「死」による穢れを周囲に広めない事が目的とされています
喪中の場合は、故人との続柄によって服喪期間が異なりますが、忌中の期間は基本的には、故人と2親等以内であれば、四十九日間となります
「喪中」や「忌中」についての考え方には、そのまま「死」というものへの各宗教・宗派ごとの考え方の違いが反映されているので、宗教・宗派が違う身内が亡くなった場合には確認しておいた方が良いかもしれませんね